クレジットカードというと、普通は昔からあるキャッシュカードのように、表面に番号や氏名などの情報が刻印されているものをイメージする人が多いのではないでしょうか。
従来のエンボス加工のあるクレジットカードと違い、新しい時代のエンボスクレジットカードには、どのようなメリットがあるのか、またどのような注意点があるのかを解説していきます。
目次
クレジットカードにあるエンボス(凹凸)の意味
今後は、従来のカード表面にカード番号や氏名などが刻印されたクレジットカードに代わり、ゆくゆくはエンボス加工のないエンボスレスカードが主流になってくることが考えられます。
具体的にはこれまでにはなかったどのようなメリットがあるのか、いくつか紹介していきます。
これまでのクレジットカードより防犯性が高い
現在世界中で多くの人々に使われている一般的なクレジットカードというと、表面にカード番号、氏名、有効期限など刻印されています。
そのため、クレジットカードをチラッと見られただけで、カード情報を盗まれてしまう危険性があります。
特にクレジットカードのカード番号があれば、さまざまな方面で悪用されてしまうリスクがあります。
レジ会計の待ち時間に無防備にクレジットカードを手に持っていたり、何気なく会計時にレジの前に置いて包装などを待っている間に、背後からクレジットカード情報を盗み見している悪質な犯罪者がいないとも限りません。
エンボスレスカードは表面にカード番号や氏名、有効期限などの刻印は一切ありません。
それらの情報はカードの裏面に印刷されています。
裏面を見ればクレジットカード情報はわかるので、全く悪用される危険性がないとは言い切れませんが、パッと見た感じは一瞬クレジットカードに見えないため、普段クレジットカードのカード番号などを瞬時に盗み見しようとしている犯罪者でも、咄嗟に読み取ることはできないでしょう。
カード表面が劣化しにくい
一般的なクレジットカードだけではなく、古いデザインのキャッシュカードなどにも言えることですが、クレジットカードのエンボス加工は、毎日財布から出し入れをしたり、読み取り口に幾度も出し入れしているうちに、どうしてもコーティングがはがれてしまい、劣化が感じられるようになります。
古いカードと、最近発行したカードでは、見た目に明らかな違いがあるでしょう。
とりあえず使えれば問題ない、と思う人もいるかもしれませんが、ランクの高いクレジットカードを所有している人などは、見た目に高級感があり、スタイリッシュなイメージであることも重視している場合もあります。
コーティングがボロボロに剥がれたクレジットカードは、どうしてもみすぼらしいイメージになってしまいますよね。
エンボスレスのクレジットカードなら、フラットなので、凹凸部分のコーティングが剥がれて劣化を感じることはありません。
長期間洗練された印象保つことができます。
カード自体の使い方はこれまでと変わらない
これまで一般的だったものが急に新しく仕様が変わることで、年配の人たちはもちろん、比較的若い人でも、使いこなせるようになるまでには時間がかかったり、使い慣れなくて手間どってしまったり、ハードルが高く感じてしまうことは少なくないでしょう。
たとえば、最近ではクレジットカードに加えてキャッシュレス社会で急激に普及しつつあるバーコード決済がありますが、さかんに宣伝されている反面、いまいち使いこなすことができていない人もいるのが事実です。
エンボスレスのクレジットカードは、見た目はこれまでのクレジットカードとはかなり違いはあるものの、使い方は全く同じ要領なので、レジでの支払い時などに手間取る心配もありません。
これまでクレジットカードの支払いをしていた人なら、なんの問題もなくスムーズに支払いをすることができるでしょう。
エンボスレスカードのメリットや注意点について
このように、これまでのクレジットカードと比較してメリットもある次世代のエンボスレスのクレジットカードですが、従来と仕様が変わる分、やはり気をつけなければならない点もいくつかあります。
まだまだエンボスレスのクレジットカードは少数派ではありますが、これから一般化した時に日常的に使う機会が来た時のために、今から注意点を確認しておきましょう。
表面はシンプルだけど裏面にはたくさんの記載がある
エンボスレスのクレジットカードは、表面には従来のクレジットカードのようにカード番号、氏名、有効期限などが記載されていないため、一見するとシンプルでスタイリッシュな印象なのですが、それではこれまでクレジットカードの表面に記載されていた情報はどこへ行ったのかというと、実は裏面に全て印刷されています。
要するに、全ての情報が裏面に集中してしまうため、表面がすっきりしている反面、どうしても裏側はごちゃごちゃした印象になってしまいます。
エンボス加工よりも見ずらく感じてしまう人もいるかもしれません。
ただ、防犯面では表面からはカード情報を盗み見されにくいというメリットがあります。
それに、使っているうちに見づらいと感じていた人でも徐々に慣れていくので、大きなデメリットとは考えなくても良いでしょう。
店員が慣れていないとスムーズにいかない可能性もある
エンボスレスのクレジットカードはまだまだ少数派で、どの年代の店員も、クレジットカードというとエンボス加工のものをイメージしているはずです。
そのため、エンボスレスのクレジットカードがまだ普及していないうちは、パッと見た瞬間はクレジットカードには見えないため、これでは支払いができないのではないか、と誤解されてしまう可能性があります。
その際に、これは一般的なクレジットカードと同じように使える、同じ機能を持っている、ということを伝える必要があります。
特に、比較的年配の店員の場合は、説明してもすぐに理解してもらえないこともあるでしょう。
そうなると、せっかくスピーディーに会計できるのが魅力のクレジットカードのはずが、会計の度に時間がかかってしまいます。
ただ、この問題は、エンボスレスカードの普及、周知化によって自然と解決されていくでしょう。
海外ではまだ対応できないところも多い
日本国内ではほとんど対応可能となっていますが、海外ではクレジットカードの読み取り機が古いこともあり、エンボスレスのクレジットカードでは会計ができない場合があります。
昔はクレジットカードのエンボス加工を利用してカード情報を読み取る機械が使われていましたが、海外ではまだそのような機械を使用してクレジットカード決済を行なっている場所もあります。
海外では日本以上にクレジットカードを使う機会が多く、海外旅行に行く時にはクレジットカードが不可欠です。
その際、エンボスレスのクレジットカードしか持ってないと不便な場面はまだあるかもしれません。
とりあえず今はエンボス加工のクレジットカードも手元に残しておきながら、新しいエンボスレスのクレジットカードも取り入れていくのがオススメです。
エンボスレスのクレジットカードが普及するとともに切り替えていくと良いでしょう。