クレヒス(クレジットヒストリー)とは、信用履歴のことを指していて、過去に信用取引を行った履歴のことを言います。
クレジットカードの契約を行うと、契約を行った事実だけでなく実際の取引履歴や支払状況までが克明に記録されています。
個人信用情報機関として国内に3つあるうちのCICという機関に登録されている情報が、クレジットカードにおけるクレヒスです。
公式サイト:指定信用情報機関のCIC
個人に対して無担保にて信用貸付を行う際には、信販会社同士で協力して過去の取引履歴を共有する仕組みが存在します。
3つの金融グループのうち1つで重大事故を起こすと、異動情報という欄に重大な金融事故を起こした履歴が残ってしまうわけです。
しかし、永久に残り続けるわけでは無いので、クレヒスを回復する手段と合わせて正しい知識を知っておく必要があります。
目次
クレヒスには2種類存在する
クレヒスというときには、主に信販会社が加盟するCICに登録されている個人信用情報を指すと考えて良いです。
開示請求は、CICへ直接出向くかインターネットまたは郵送により開示請求可能です。
申請書類に必要事項を記入して、本人確認書類と手数料を支払えば取り寄せることが出来ます。
東京都内まで出向くことが難しければ、最初からインターネットまたは郵送による開示請求が望ましいです。
良いクレヒスを積み重ねよう
個人信用情報機関へ登録されている信用情報のうち、クレヒスと呼ばれるのはクレジットカードや貸金業法に基づく貸付に対する取引履歴のことを指します。
何月何日にどの金融業者と契約をして、いくら借り入れして指定期日にいくら返済したのかという状況が詳細に記録されているわけです。
実は、クレヒスには2つの意味合いが含まれていて、良いクレヒスという場合には毎月決まった金額を支払ったという履歴です。
各クレジットカードごとに直近24ヶ月以内の支払状況を記号で表記していて、「$」、「P」、「A」、「-」という4つの記号が並んでいます。
$ | 一定額の支払いが期日内に行われた |
P | 約定返済額のうち一部が入金された |
A | 支払期日に一切入金されなかった |
– | カード自体未使用の可能性が高い |
毎月$マークが続いている状況か、取引履歴が無い-が続いていれば良いクレヒスが付いていることになります。
悪いクレヒスは程度によりローン審査に影響する
悪いクレヒスという状態は、直近24ヶ月以内にPやAマークが含まれた状況が該当します。
もう一つ、3ヶ月以上の長期延滞を行った場合と債務整理を行った事実は、重大な金融事故情報として異動情報欄に別途掲載されます。
悪いクレヒスという時には、直近24ヶ月の支払い履歴と重大事故を起こして異動情報欄に掲載されていないかという2つの点を指すわけです。
1つや2つ程度PやAマークが入っている状態ならば、厳しい金融業者以外は1年以上前の記録である限りさほど厳しい判断は行いません。
しかし、異動情報に掲載されている場合には状況が異なり、残念ながら金融事故を起こした人という扱いになってしまい、ローン審査に影響します。
悪いクレヒスの回復にかかる年数とは
悪いクレヒスには2種類あるわけですが、クレジットカードの新規申込時には申込履歴自体も悪いクレヒスになる可能性があります。
クレジットカード申込履歴は、6ヶ月間残るので続けてクレジットカードを何枚も申し込みしていると、本来ならば審査通過出来る人でも審査落ちします。
申し込みブラックと呼ばれている状態になり、6ヶ月新たな申込をせずに期間を開けてから再申し込みする必要があります。
24ヶ月の支払履歴をチェックしよう
CICに対して開示請求を行った際に、契約済みのクレジットカードやカードローンの支払履歴を個別に確認すると、$・P・A・-が連続した部分が見つかります。
$または-が連続していれば問題ないわけですが、PやAマークがある場合には悪いクレヒスが付いていることになるわけです。
しかし、直近24ヶ月しか分からないわけですから、毎月真面目に支払ってクレヒスを良くしてしまえば良いわけです。
悪いクレヒスが付いた時には、24ヶ月真面目に支払っておけば、25ヶ月目には悪いクレヒスが回復します。
異動情報は5年間残り続ける
3ヶ月以上滞納を続けると延滞という状態になり、CICには異動情報として悪いクレヒスが付いてしまいます。
延滞状態に陥ると、クレジットカードは利用停止となり、一括返済が求められてしまうので他のクレジットカードにも影響が出ます。
一括返済出来なければ債務整理を行うことになり、債務整理を行った事実も異動情報として掲載されるわけです。
異動情報は、発生または解消時から5年間残り続けるので、5年間は重大な悪いクレヒスが残り続けることになります。
悪いクレヒスの回復方法は2つ
悪いクレヒスが付いてしまった場合には、CICへ信用情報開示請求を行って、どのような悪いクレヒスとなっているのか事実確認を行う所から始めましょう。
単純に待てば回復する場合と、積極的に動いて自力でクレヒスを回復させるパターンがあるので、事前にどちらを行えば良いのか知っておくと良いです。
良いクレヒスで上書きする
毎月の支払状況でPまたはAマークが付いてしまった場合には、毎月返済遅れを起こさないように気をつけておくと良いです。
定期的にCICへ信用情報開示請求を行い、誤ってPやAマークが付いていたら該当する信販会社へ苦情を出して訂正依頼をかける必要があります。
2013年に、ソフトバンクが誤ってPやAマークを連続して付けてしまい、クレジットカードが止まってしまった被害を受けた人が何千人もいました。
ソフトバンクモバイルは10月1日、スマートフォンや携帯電話の端末代を分割で支払う割賦契約をした一部の顧客において、分割支払金を入金していたにもかかわらず、未入金として信用情報機関に登録していたことを発表した。
出典:CNET Japan
この時もちろん訂正されましたが、それでも失ったクレジットカードの再発行がされなかった人もいます。
毎月しっかり支払いを行って、$マークでPやAマークを押し出す方法が積極的に良いクレヒスで上書きする方法です。
悪いクレヒスが付いたクレジットカードを解約して5年待つ
申し込みブラック状態から回復するためには、新たなクレジットカードやカードローン申込を半年以上しなければ良いだけです。
しかし、異動情報が付いてしまった場合には、5年間残ってしまうので5年間は現金主義の生活を余儀なくされますが、もう1つ注意点があります。
異動情報は延滞状態が解消されてから5年間となるので、一括返済が出来ない場合には債務整理に着手しない限りは5年以上経過しても異動情報に延滞状態が残り続けます。
自己破産を選択すれば、自己破産宣告の後で免責決定を受けた日から5年経過すれば異動情報から消えて信用情報が回復します。